重松森雄 監督
福岡マラソン2014に挑戦されるランナーの皆さま、まずは出場権獲得おめでとうございます。
初めてフルマラソンに挑戦されるランナーの皆さんは、大会まで3か月足らずになり、焦りを感じている方もいらっしゃると思いますが、大丈夫です。
これからの夏場、体調管理に気をつけながらトレーニングに励んでください。
福岡県大野城市総合体育館館長
1940年福岡市出身。福岡大学卒。
1965年ボストンマラソン優勝、同年ウインザーマラソンでエチオピアのアベベが東京オリンピックで作った世界最高記録を更新する2時間12分00秒で優勝。岩田屋女子駅伝部、サニックス女子駅伝部監督を経て、現在クラブチーム「ファーストドリームAC」監督。福岡マラソン実現に向けて尽力した一人。福岡マラソン実行委員会委員も務める。
ランナーにとって、食事は走るための基礎体力づくりにとても重要な要素です。栄養の過不足が長期間続けば、さまざまな不調の元となり、パフォーマンスの低下の原因にもなりかねません。
必要な栄養素をバランスよく摂るためには、和食の定食形式をイメージし、主食(米)、主菜(肉・魚等)、副菜(野菜・海藻・きのこ類)、果物、乳製品を揃えることが理想的です。具だくさんの豚汁やスープ、鍋料理など、ライフスタイルに合わせて1品でも簡単にたくさんの栄養が摂れるようなバランスのよい食事を工夫することが、より充実した練習を支える体の土台づくりになります。
長距離ランナーの競技力向上のためには、単に体重を減らすのみではなく除脂肪量(筋肉)の減少を極力抑え、体脂肪を減少させることが大切です。減量中でも必要な栄養素は十分にとりましょう。
運動量が多く消費量や損失量が増えているランナーは、特にエネルギー代謝、疲労回復に関係するビタミンB1や、貧血予防、持久力UPのために必要な鉄などが不足しがちです。
ビタミンB1の供給源は、豚肉や大豆製品、玄米など、鉄は赤身の肉や魚、ひじき等にも多く含まれます。低カロリーでも栄養密度の濃い食材を積極的に取り入れましょう。
持久系種目では、試合3日前から糖質中心の食事に切り替える「グリコーゲンローディング」を行うことで、完走に必要な糖質エネルギーを十分体に貯蔵しましょう。
食べ慣れた料理の中で、ごはん、パン、麺類、イモ類、柑橘類やバナナ等の果物、そして和菓子など、脂質を避けて糖質を多く含む食品を多めに食べましょう。その分おかずは少なめにして、カロリーオーバーを防ぐ和食がおすすめです(例えばうどんにおにぎりといった組み合わせ)。
レースに向けて風邪予防、疲労回復(食事・休養)、エネルギー満タン、ベストコンディションでスタートラインに立ちましょう!
管理栄養士・公認スポーツ栄養士 静間 佳代子