重松森雄 監督
福岡マラソン2014に挑戦されるランナーの皆さま、まずは出場権獲得おめでとうございます。
初めてフルマラソンに挑戦されるランナーの皆さんは、大会まで3か月足らずになり、焦りを感じている方もいらっしゃると思いますが、大丈夫です。
これからの夏場、体調管理に気をつけながらトレーニングに励んでください。
福岡県大野城市総合体育館館長
1940年福岡市出身。福岡大学卒。
1965年ボストンマラソン優勝、同年ウインザーマラソンでエチオピアのアベベが東京オリンピックで作った世界最高記録を更新する2時間12分00秒で優勝。岩田屋女子駅伝部、サニックス女子駅伝部監督を経て、現在クラブチーム「ファーストドリームAC」監督。福岡マラソン実現に向けて尽力した一人。福岡マラソン実行委員会委員も務める。
初心者ランナーの皆さんにまず考えられることは、大会までトレーニングの時間が足りない、42.195kmという未知の距離に対して、果たして完走できるだろうかという不安、そして自信がないというのが本音でしょう。でもこれからのトレーニングによって完走は絶対にできます。
それぞれのレベルに合わせて参考にしてください。
3か月前 | 2か月前 | 1か月前 | 1週間 | |
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月 | Walk 30分 |
Walk & Slow Jog 30~40分 |
Run 30~40分 |
Slow Jog 20~30分 |
火 | 10分Run+10分Walk ×3セット |
(朝)Run 30分 (夕)Run 30分 |
Run 60分 |
完全休養 |
水 | Walk 30分 |
Walk 30~60分 |
Walk 60分 |
Slow Jog 20~30分 |
木 | 10分Run+10分Walk ×3セット |
(朝)Run 30分 (夕)Run 30分 |
Run 60分 |
100m×3本の流し* & Slow Jog 20~30分 |
金 | Step運動30分 or 階段上り500~800段 |
Step運動 & 軽い運動 30分 |
Step運動 & 坂道の上り (100m×10本) |
完全休養 |
土 | 15分Run+5分Walk ×3セット |
Run 60分 |
Run 60分 (月2回は90分) |
Slow Jog 10~20分 & Walk |
日 | 完全休養 | 完全休養 または 低山ハイキング |
完全休養 | 大会本番!! |
エリートランナーやジョガーでも、マラソンに何回もチャレンジするランナーは、大会1週間~3日前位の中で、カーボローディング(LSD*1で体内の筋グリコーゲン*2を枯渇させ、その後、炭水化物を摂取し*3、筋グリコーゲンを大幅にアップさせる)を行い、レース本番のエネルギー蓄える方法をとっています。しかし、皆さまがやり方を間違えばマイナス面も出てきますから、この方法で走ろうとする方は、LSDやカーボローディングについて詳しい人によく聞いて行ってください。
次に、疲労を完全に取り去ることを考えてみましょう。そしてカーボローディングした後に、貯め込んだエネルギーを使わないために、練習量を大幅に減らし、休養に努める。また、特にこの週はストレスをためないようにマイナス思考はやめましょう。
そしていよいよレース本番です!
これまでやってきた練習を信じて、無理なく自分のペースで完走を目指しましょう。
そこには、きっとこれまで体験したことのないあなただけの感動のドラマが待っているはずです。
皆さまの健闘をお祈りいたします。
まず注意しなければならないことは、レース前(15分~60分)の糖分補給はやめましょう。血糖値を下げるためにインスリンが急増し、低血糖を起こしたり、脂肪の分解を抑制してエネルギーとして利用しにくくする作用があるため、完走が難しくなることにもなりかねません。十分注意しましょう。
しかし、レース直前またはレース中の糖分補給は、筋グリコーゲンの節約効果があります。私のチームの選手には、ゼリー状のエネルギー飲料を取らせています。また、給水ポイントでは、後半のエネルギー切れや体温の上昇を防ぐためにも、スポーツ飲料・水をこまめに、そして確実に摂取してください。
坂道を上るときや向かい風のときはそれなりにペースがダウンし、下り坂や追い風のときはそれなりにペースアップすることを頭に入れて走りましょう。そうすれば、乳酸をできるだけ貯めない走り方につながります。
初心者の皆さまや特別に糖分補給等が必要な方は、自分にあったエネルギー補給食を持って、レース中、こまめに取り入れて走ってみられてはいかがでしょうか。
さぁ、レースに備えての調整に入るときです。
1か月前は、エリートランナーも初心者の皆さまも同じですが、練習の負荷の与え方、疲労を抜くこと、食事の摂り方、体調管理・・・ともっとも気を使うときです。
少しでも速く走りたいがために、スピード練習をやってみようなどとは絶対に考えないでください。この練習をやってしまったために筋を損傷したりすると、修復に1か月以上かかってしまいますし、筋の修復のため糖が使われてしまいます。そうなると、走るのに必要なグリコーゲンの再生が遅れ、疲労の原因にもなりかねません。このため、必要以上の負荷をかける練習は避けてください。
睡眠を十分にとる、食事はバランスを考える、そして体調面では季節の変わり目なので、風邪をひかないように気を付け、これまでの練習を継続してください。
初心者ランナーの皆さま、この時点でフォームのことをいうと、かえっておかしなフォームになって走れないこともあるかと思いますが、次回の参考になればと思い述べてみます。
初心者ランナーの皆さま、レースまで2か月となりましたね。
トレーニングは予定通りできていますか。体脂肪は少しでも減らすことができましたか。60分のランニング(約10km)ができるようになりましたか。
このレベルまで達成された方は、この月一度でいいですから、ハーフマラソンの距離(21.0975km)にチャレンジしてみましょう。友人とのランニングであればお喋りをしながら、一人でのランニングであれば得意な曲を歌いながら、自分が走れるスピードで走ってみましょう。
その中で、まだこの距離は無理と思われる方は、60分のランニングの中で楽な感覚で走れるペースをしっかり確認してください。
今皆さまは、初マラソンへの距離に対する不安と練習からくる焦りで、落ち着かない日々を送っておられると思いますが、心配無用。きつければ歩けばいい、つらい時は次回にチャレンジすればいい、こういった気持ちで乗り切ってください。
ハードトレーニングをすれば故障はつきものです。故障した場合は、次のことを行い、回復に努めてください。
初心者の皆さんに最初にやっていただくことは、絶対に無理をしないということです。きつい時は思い切って休んでください。
ポイントは、福岡大学の田中宏暁教授が提唱されているニコニコペースで走ることです。これは、おしゃべりをしながら息を切らすことなく走れるスピードです。ひとつの目安として心拍数があります。138-(年齢÷2)の計算式から出てくる前後の心拍数のスピードで走れば、疲労を残すことなく走れるということです。
【例:40歳の場合・・・138-(40÷2)=138-20=心拍数118】
そして、この時期に合わせてやっていただきたいのが、体重(体脂肪)を落とすことです。体重(体脂肪)を落とせばひざへの負担が軽減できますし、グリコーゲン(エネルギーを貯蔵するための物質)の消耗も少なくてすむので、楽に走れることは間違いありません。